73.6%の不動産業「コロナの影響が出た」 廃業を考えているのは?

2021-05-10 11:46:31

東京商工リサーチ(東京都千代田区)が2021年4月に実施したアンケート調査によると、不動産業でコロナの影響を受けたのは220社中162社で、全体の73.6%に達していることが分かった。そのうち、「影響が出たがすでに収束」は9.5%(21社)にとどまり、64.0%(141社)は「影響が継続している」と回答した。

图片关键词コロナ禍、不動産業も苦しい立場に(出典:東京商工リサーチ)

 20年2月の第1回調査では、不動産業で「現時点ですでに影響が出ている」と回答したのはわずか15.1%(45社)だった。一方、「影響はない」が48.8%(145社)と半数を占めたほか、全産業と比較しても不動産業界への影響は大きくなかった。

 しかし、3月には不動産売買業者から建築資材の入荷遅れによる物件引き渡しへの影響が言われ始め、賃貸業者がテナントの退去や家賃の減額、猶予要請を受けるといった影響が出始めた。そこからさらに1年が経ち、今回の調査で不動産業にもコロナ禍による影響が徐々に波及している実態が明らかとなった。

图片关键词不動産業にもコロナ禍の影響が徐々に

 21年4月の調査で、現時点で影響を受けていないと回答した企業のうち、「今後影響が出る可能性がある」と答えたのは20.4%(45社)に達しており、不動産業においてもコロナ禍による影響への警戒感がうかがえる。

 コロナの影響を受けた不動産業のうち、前年同月と比べて減収だった企業は、20年5月の緊急事態宣言下で89.2%(242社中216社)と約9割に達した。翌年の21年3月においても、71.0%(107社中、76社)がコロナ禍以前と比べて減収に追い込まれている。

 新型コロナ関連の支援策の利用率は、21年4月時点で56.8%(220社中、125社)に及んだ。昨年は緊急事態宣言解除後に利用率が急激に伸長したことから、今年の緊急事態宣言解除後に利用率が6割を超えることも予想される。

 また、21年4月の廃業検討率は7.6%(197社中、15社)で全産業平均(6.8%)を上回る結果となった。不動産業のコロナ関連破綻は累計30件に達しており、そのうち約半数の16件が21年に破綻している。特に飲食業向けテナント賃貸業で苦戦が続いており、業況改善は見えてこない。

 コロナ禍の収束が見通せないなか、不動産業でも廃業を検討する企業が増えている。現在発出中の3回目の緊急事態宣言によって経済活動が停滞すれば、不動産業の回復が遅れ、廃業や倒産が増える可能性は避けられない。不動産業は景気動向と密接に動くだけに、今後の動向が注視される。

 なお、今回の調査は東京商工リサーチが20年2月から21年4月まで毎月、インターネットによる「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」を実施したもの。全15回分を分析し、その結果を同社が発表した。